鬼岩公園
隠れた美観名所

鬼岩公園

岐阜県可児郡御嵩町
飛騨木曽川国定公園 鬼岩公園
2011年初夏取材

気軽に楽しめる自然遊歩道

 国道19号線から国道21号線に入り、少し曲がりくねった上り坂をしばらく行くと鬼岩公園がある。道路を挟んで公園の西側に鬼岩ドライブインがあるので、そこに車を停め、歩道橋を渡って鬼岩公園へと入ってゆく。
 鬼岩公園は小高い山の中に作られた公園で、園内には自然遊歩道が整備されている。ぐるりと1周するのに足早に歩いても1時間以上はかかる広さだ。ゆっくり廻れば1時間半から2時間くらいかかる。所々険しい所もあるので、最低でもスニーカー靴は用意したい。
 まず最初に目にするのは呂久沢と呼ばれる小さな沢と楓のトンネルである。薄く、軽やかな楓の葉を通した光が美しい。さらに進むと小さな川沿いに鬼岩温泉がある。日帰り入浴、食事付きの日帰りプランもあるので、興味のある方は利用してみると良いかもしれない。
 さて、今回は鬼岩公園の紹介である。入り口の脇には小さな滝があり、石畳で整備された通路が続く。少し開けた所に公園の案内板がある。幾つかコースがあるのでここでチェックしておくと良い。

鬼岩公園 入り口
鬼岩公園 遊歩道 鬼岩公園 植生1 鬼岩公園 植生2

 私は毎回、時計回りで廻る事にしている。初めて鬼岩公園に来た時に巡ったコースで、その時からなんとなく気に入っている。前半に急勾配の続く緑の中を進み、後半は整備された遊歩道を通り巨石群を見るというものになる。疲れた後半にキツい坂道は遠慮したいという思いもある。先程幾つかのコースがあると書いたが、どのコースを通ってもどこかで道が合流しており、迷う事は無いので安心して思った通りに進んで大丈夫。

鬼岩公園 花崗岩

 石畳の遊歩道を行くとすぐ左手に登りの階段が現れるので、そこを登ってゆく。(ちなみに、石畳をそのまままっすぐ行けば巨石群のある場所へ行くことができる。)山歩きに慣れていないと、少々息が切れるくらい急な道が続くので、急がず、ゆっくりと、時折立ち止まって周りの風景や小鳥の声を楽しみたいたい。
 緑の中をひたすら登ってゆく。時折、足元にはこの公園の特徴でもある花崗岩の巨石が埋まっているのを見る事ができる。
(※現在は2011年の台風12号により、幾つかのルートが通行禁止になっている。)

鬼岩公園頂上 蓮華岩

 公園の頂上付近には蓮華岩と呼ばれる巨大な花崗岩が連なっており、その上から瑞浪の山並みを一望できる。柵などはないので足を滑らせて落ちないように注意。近くには屋根付きの休憩場所もあるのでそこで少し休むこともできる。天気の良い日にはお弁当を持ってくる家族連れもいる。

鬼岩公園 松野湖 鬼岩公園 松野湖までの小道

 ここからは松野湖も見ることができる。湖では釣りやキャンプもできるので、夏には利用したい。松野湖へ行くには展望台の反対側にある小道を通って行くことができる。この小道は桜と楓の木々の佇まいが美しい。

鬼岩公園 下り道 鬼岩公園 松野湖から流れ出る沢 巨石から覗く大穴

 ここから下りである。少し薄暗い木々の中を行く。
 しばらく進むと巨石がいくつも姿を見せる。ここが鬼岩公園の見所となる巨石群である。いくつもの巨石によって作られた深い穴を覗き込むと吸い込まれそうな感覚を覚える。その岩の間を松野湖から流れる沢が通っている。

鬼岩公園 巨石の間の通路
鬼岩公園 巨石潜り

 岩と新緑のコントラストが美しい。秋には楓が赤く紅葉し、また違った美しさを楽しむことができる。時には屈んで潜らないと通れない場所もあるので注意。

鬼岩公園 岩穴くぐり

 巨石の間を通り抜けてゆくと右手に「岩穴くぐり」という、これまで見てきた「巨石の下」をくぐる事ができる入り口がある。くぐると言っても、実は並大抵のシロモノではない。おそらく入り口を目の前にしたら、「本当にここに入るのか?」と疑うに違いない。人によっては入り口の場所すら気がつかないかもしれない。(実際、私は最初どこが入り口なのか分からなかった…。)狭い入り口を潜り込むように入ってゆくと、重なり合った巨石で作られた洞窟のような暗い通路が現れる。通路の高さは低く、這うように腰をかがめないと通れないくらい狭い所もある。本当に出られるのか不安を感じつつ、時折岩の隙間から差し込む光が幻想的だ。正直、ちょっとしたアトラクションである。思った以上にわくわくするので、お子様連れの方には是非挑戦してみて欲しい。ただし、足下が滑りやすいのでくれぐれも注意が必要である。(※現在、岩穴くぐりは年に数日間のみイベントととして行われており、自由に入ることはできなくなっている。)
 岩穴くぐりの出口には、鬼岩の名前の由来が記された場所がある。興味のある方は読んでみることをおすすめする。

鬼岩公園 見返り橋

 赤い「見返り橋」が見えてきたらゴールは間近。軽い疲労感に風が心地よい。沢沿いの石畳の通路をおりて行くと、入り口に戻る。

 鬼岩公園は四季の変化が楽しめる場所である。春には桜とサツキ、初夏には新緑、秋には紅葉が、それぞれ美しいコントラストを奏でる。公園の上の方ある松野湖には駐車場があり、無料で停める事ができる。山道を登るのは大変という方は手軽にこちらに来ても良いかもしれない(ただし、道幅が狭いので運転には注意)。しかし、ぜひ公園内を歩いてみて欲しい。良い運動にもなり、緑の間からこぼれる陽の光、土の匂いに心もリフレッシュできるはずだ。

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